民話 大新河岸の母子河童
昔、荒野(現在の銚子市中央町あたり)に大新河岸と呼ぶ船着場があった。
廻船問屋の蔵が軒をつらねて、その中にモリゴンという大きな問屋があった。
ある日、そこへ泊まった客人が、河岸で遊んでいた河童の子をふざけて傘でたたいた。すると、その夜河童がたずねてきて「何も悪いこともしないのに、なんでいじめたか」と、とがめて利根川に戻っていった。
河岸の人々は、「河岸の船や働く人を守ってくれる河童に悪いことをした−−−」と、あやまった。
その後、大新河岸では、けがをする人や難破船もなく、繁昌したという。